高卒認定試験(高認)は、大学や専門学校への進学、就職、資格取得などを目指す人にとって、高校卒業と同等の学力を証明する大切な試験です。自分のペースで合格を目指せる仕組みが特徴で、多様な背景を持つ受験者に幅広い可能性を提供しています。
そこで本稿では、高卒認定試験について分かりやすく解説します。
高卒認定試験とは

高卒認定試験(高認)は、16歳以上であれば誰でも受験できる国が実施する試験です。この試験に合格すると「高校卒業と同等」と認められます。受験年度末(3月31日)時点で16歳に達していれば、試験が実施される8月や11月の時点で15歳でも受験可能です。また、全日制、定時制、通信制高校に在学中の人も受験できます。
試験科目は基本的に8科目ですが、理科の選択によっては9科目を受験する場合もあります。高校1年生を修了した人には、すでに学んだ内容に基づき一部の科目が免除される場合があります。また、科目合格制度があり、一度合格した科目は次回以降の試験で受験する必要がありません。さらに、合格していない科目については、通信制高校で単位を取得することで科目合格に代えることができる「科目履修制度」も利用できます。
なお、令和4年度からの高等学校学習指導要領の改訂に伴い、令和6年度第1回試験から高卒認定試験の科目構成や合格要件が変更されます。令和5年度第2回試験までに合格した科目については、免除される科目や必要な要件が異なる場合があります。また、受験免除科目は高校への入学年度によって異なるため、詳細は文部科学省のホームページで確認してください。
高卒認定試験合格までの流れ
試験
教科 | 試験科目 | 科目数 | 要件 |
---|---|---|---|
国語 | 国語 | 1 | 必修 |
地理・歴史 | 地理 | 1 | 必修 |
地理・歴史 | 歴史 | 1 | 必修 |
公民 | 公共 | 1 | 必修 |
数学 | 数学 | 1 | 必修 |
英語 | 英語 | 1 | 必修 |
理科 | 「科学と人間生活」 「物理基礎」 「化学基礎」 「生物基礎」 「地学基礎」 | 2または3 | ①「科学と人間生活」の1科目と「基礎」を付した1科目の計2科目 ②「基礎」を付した1科目を計3科目 |
8科目の受験科目に合格
(理科で「科学と人間生活」を選択しない場合は9科目)
高卒認定試験合格
(試験は8月と11月の年2回)
高卒認定試験の3つの特徴
年2回のチャンス!

高卒認定試験(高認)は、毎年夏と秋の2回にわたり、それぞれ2日間の日程で実施されます。第1回はおおむね8月のお盆前の平日2日間、第2回は11月の第2土曜日と日曜日に行われるのが一般的です。試験会場は各都道府県に1か所設けられ、高校や大学、県の公共施設などが利用されます。
受験会場は、住んでいる地域にかかわらず、受験申込時に自由に選択することができます。他県の会場の方が都合が良ければ、そちらで受験することも可能です。
一度合格した科目は受験が免除!

高卒認定試験(高認)は8科目ありますが、一度にすべて合格する必要はありません。それぞれの科目で合否が判定され、一度合格した科目については次回以降受験する必要がなくなります。そのため、「今回は4科目を受験し、残りは次回に挑戦する」といった形で分割して受験することが可能です。最終的に必要な科目がすべて合格または受験免除の状態になれば試験をクリアできます。
このように、高認は自分のペースで進められる試験です。毎年約2万人が受験しており、これは大学入試とは異なり、高卒と同等の学力があるかどうかを確認する試験です。そのため、合格定員は設けられておらず、「落とすこと」を目的とした試験ではありません。
科目履修という制度も!

高卒認定試験は、ほとんどの科目で複数の選択肢から正解を選ぶマークシート方式で実施されます。ただし、数学については一部が択一式問題であるものの、解答を直接数字でマークする形式も含まれています。試験時間は各科目50分で、合格基準は明確に公表されていませんが、一般的には4割以上が目安とされています。
また、1科目以上合格した場合、残りの科目については通信制高校が提供する「科目履修」で代替することが可能です。科目履修とは、通信制高校で高卒認定試験に対応した科目を学び(履修)、単位を取得する制度です。
この制度は、苦手科目がある人や、全科目に合格しなかったものの高認資格を取得して進学や資格試験に挑戦したい人にとって有用な選択肢となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
高卒認定試験は、自分の将来に向けて新たな道を切り開く手段です。柔軟な受験方法や支援制度を活用しながら、目標に向かって一歩ずつ進むことができます。挑戦することで、次のステージへの扉を開けましょう。